夕と闇

本と旅と日々の暮らし。あわいに消えていくものたちの記憶。しんしんと降り積もる。

『嘘みたいな本当の話』 内田樹・高橋源一郎 選

普通の人に実話を応募してもらって、良さそうなものをピックアップした本。

1000字以内というしばりがあるので、どれもさくっと読めて、それなりに面白い。

 

アメリカの本家のやつは読んだことないけど、この先もたぶん、読まない気がする。

あんまり、リアルとフィクションを分けて捉えたりしない性分なので、現実であることに価値を置かないというか、フィクションで十分というか。

 

でも、日本のやつはアメリカのものに比べて均質だという話だから、アメリカのほうはリアルだからこその価値があるのかもしれないな。

小説書く人間の所属するグループ、階層が偏ってそうだもの。

小説に拾われないリアルが、たくさん埋もれてそう。

 

大阪でインタビューしたら、なんとなく面白い話が集まりそうな気がする。

我が強い、というか、個性的であろうとする、というか、そういう人が多いイメージあるから。

まあ、偏見だけど。

 

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嘘みたいな本当の話 (文春文庫)
 

 あらゆる場所の、あらゆる年齢の、あらゆる職業の語り手による、信じられないほど多様な実話。それは、ささやかな善意やご縁の糸が絡み合う、「嘘みたいな」本当に起こった話だ。
応募総数1500近くの中から、知の泰斗ふたりが選りすぐった149のリアルストーリー。

ポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」のいわば日本版。
日本が「物語る」声が聞こえてくるような奇跡の一冊が、ついに文庫化!