『生命と記憶のパラドクス』 福岡伸一
福岡ハカセの本は初めて読んだのだけれど、とても面白かった。
前に『生物と無生物のあいだ』を買って読まずに放置し、本の海に紛れてもはやどこにあるのか分からない状態なので、これはちょっと買いなおす必要があるかもしれない。
福岡ハカセが週刊文春に連載していたエッセイをまとめたもの。第二弾だって。
第一弾は、『ルリボシカミキリの青』ってやつみたい。未読。
涙腺が上まぶたあたりにあるって、知らなかった。なんとなく、目頭の近くの点(涙点というらしい)から涙が出てくるんだと思ってた。涙点は、涙を排出するためのものらしいよ。
人間がいなければ種を存続できないブルドックやニワトリや蚕の話は、すこし悲しい。
それから、吉村昭の名を初めて知った。天才脱獄犯を主人公に据えているらしい『破獄』は是非読んでみたい。
リリカル・サイエンス・エッセイ。
科学者はロマンチストなんだよ。
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以下、Amazonより。
「記憶は不思議ならせん階段である」。生命と記憶の秘密を探る福岡ハカセの長い旅は、刺激的な脱線の連続。地球上で最も成功している生物とは?実は進化に目的はない?コンピューターはクイズで人間に勝てるか?そして記憶は何のためにあるのか?…知的好奇心を心地よく刺激される66の冒険譚。
参考までに。以下、Amazonより。
昭和11年青森刑務所脱獄。昭和17年秋田刑務所脱獄。昭和19年網走刑務所脱獄。昭和23年札幌刑務所脱獄。犯罪史上未曽有の4度の脱獄を実行した無期刑囚佐久間清太郎。その緻密な計画と大胆な行動力、超人的ともいえる手口を、戦中・戦後の混乱した時代背景に重ねて入念に追跡し、獄房で厳重な監視を受ける彼と、彼を閉じこめた男たちの息詰る闘いを描破した力編。読売文学賞受賞作。