『シンジケート』 穂村弘
穂村弘の歌集です。短歌の本。
読むのは、たぶん二度目かな。
ハーブティーにハーブ煮えつつ春の夜の嘘つきはどらえもんのはじまり
終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて
積乱と呼ばれし雲よ 錆色のくさり離してブランコに立つ
そして、最後の『ごーふる』。
初めて読んだときはかなりの衝撃だった。
「そしてホチキスの針の最初のひとつのように、自由に、無意味に、震えながら、光ながら、ゴミみたいに、飛ぶのよ。」
わたしもかなり不器用でぼんやりしてる人間なので、分かる。
ほむほむと一緒かは分からないけど、分かる、気がする。
棒アイスは、家では食べない。
(他のことに夢中になって、落とすから。)
気がつくとヨーグルトでシャツの胸元が汚れてる、朝。
なんでみんな、平然と、当たり前みたいに生きてるのか。
不思議だよねえ。
叫びたくなったりは、しない?(わたしは車の中で叫ぶ。)
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「風の夜初めて火をみる猫の目の君がかぶりを振る十二月」 水滴が雪になるようにことばが結晶化して歌になる。そんなピカピカの恋を詠んだ穂村弘の初の歌集。